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<こころ理論>こころ理論の仮説

作成者 日本心理教育院(ip:)

作成日 2021-05-26

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内容

 

<本文は出版図書「こころ理論」の一部を抜粋したものです>

 

多くの心理理論が存在する。心理理論はカウンセリング方法の理論と心理治療の理論に分類することができるが、心理の基準と体系を究明した理論はこれまでになかった。心理理論となるためには、「人間の心理を理解し、解釈するとき論理的で矛盾があってはならず、体系的でなければならない。また理論と現実が一致しなければならないと同時に心理におけるすべてのはたらきをいくつかの変因で証明できなければならず、宗教的な解釈と科学的な検証」がなされなければならない。このように心理理論は簡潔であるが、すべての人間の心理を解釈し検証しなければならない。

 

心理理論が重要なのは人間関係の分析と解釈、心理障害の原因分析と治療方法を開発できる心理の基準になるからである。特に心理理論は哲学、政治、経済、社会、文化、芸術、カウンセリングなど、さまざまな学問において人間関係の心理を理解し、解釈できる基準になるから重要である。

 

人間は体(Body)と心(Mind)に区分することができる。これをコンピューター(Computer)に例えると、体はハードウェア(Hardware)と見なし、心はソフトウェア(Software)と見なすことができる。コンピューターはハードウェアとソフトウェアが分離してはたらくため相互に影響を与えることはない。しかし人間は考え、話し、行動する社会的動物であるため、体と心が一つにつながってはたらき合いながら相互に影響を与え合う。人間の体と心をコンピューターのハードウェアとソフトウェアと比べることは問題があるが、心と心理の概念を理解し、分析するために比較の対象にしていることを先に断っておく。

 

ハードウェアに該当する体は身体、臓器、細胞とDNAで構成されており、ソフトウェアに該当する心は心理をはたらかせる。ソフトウェアがないハードウェアは単なる屑鉄に過ぎず、コンピューターの機能を果たすことはできないし、ハードウェアがなければソフトウェアは必要がない。だから正常なコンピューターはハードウェアとソフトウェアが共にはたらかなければならない。これと同じように人間の体と心は一つになっているため別々にはたらくことはない。それで体のはたらきを分析することは医学と科学において証明しなければならず、体と心がともにはたらくのを分析するのは哲学、精神分析学、心理学において論理をとおして証明しなければならない。

 

コンピューターにおいてソフトウェアは正常だがハードウェアが故障すれば、コンピューターの機能は停止され、ソフトウェアはまったく役に立たない。またハードウェアは正常なのにソフトウェアが故障すれば、コンピューターは作動するがエラーが生じる。このように心理は正常なのに体が病気になれば心理は役に立たず、体は正常なのに心理に障害が生じれば正常な活動は可能だが、心理障害が発生する。特に人間は体と心がつながっているため、体が病気になれば心によってはたらく心理にも問題が発生し、心理に問題が生じれば体にも病気が発生する。したがって体と心のうち、どちらか一方に問題が発生すれば体と心の両方とも問題になるため心理理論は体と心をともに研究しなければならない。

 

医学と科学は身体に対する明確な基準があるため身体の基準によって検証する。宗教は経典の基準をもって信仰に発展した。しかし哲学と心理学は心理の基準がないため発展できずにいる。

 

したがって人間を理解していく過程でこの三つの基準が一つに統合されず、多くの理論と反論によって心理の研究は続けられているが、いまだに多くの困難がある。心理の基準が設定されれば心理障害の治療方法が開発され、心理と身体の関係性を分析すれば身体疾病の治療に役立てることが可能となり、心理と宗教の関係性を分析すれば宗教の信仰を強化することができる。このように心が心理の基準であることを証明することで哲学と心理学だけでなく、さまざまな学問との連携が可能である。したがって心理の基準であるこころ理論の仮説は重要である。

 

 こころ理論は心において意識と無意識がはたらき、心によって認識心理、記憶心理、表現心理がはたらく原理を解釈することで心理のすべての現象を分析した心理理論である。心理は心によってはたらくと言える。そして心を中心として認識心理、記憶心理、表現心理のはたらきを論理的に分析し、これを証明するためにこころ理論において七つの仮説(Hypotheses)を設定して証明することで心理理論を開発することができた。

 

こころ理論の七つの仮説で心理のすべての現象を分析し、理解できるように論理性、体系性、一致性に対する検証のために心理障害を治療する臨床に適用した。

 

こころ理論の七つの仮説を見てみると、まず第一に「心の構成の仮説」は、人間の心は意識と無意識で構成されているという仮説である。

 

第二に「心と心理が異なっているという仮説」は、心の意識と無意識が体と連動して認識、記憶、表現などにはたらく心理とは区分されなければならないという仮説である。

 

第三に「男性と女性の違いの仮説」は男性と女性の心のはたらきが異なるという仮説である。

 

第四に「感情記憶の違いの仮説」は男性は感情記憶をしないが、女性は感情記憶をするという仮説である。

 

第五に「幸福追求の違いの仮説」は男性は未来の幸福を追求し、女性は現在の幸福を追求するという仮説である。

 

第六に「自己実現の違いの仮説」は人間関係において男性は人生の価値を追求し、女性は生きる意味を追求するという仮説である。

 

第七に「ストレスと傷の違いの仮説」は男性はストレスを除去し、女性は傷を治療するという仮説である。

 

 この仮説は心理を分析し、心理理論を検証するための基本説明であり、これを証明するために心理障害の治療に適用したところ、男性と女性の心と心理のはたらきに正確さをもっていた。ただこころ理論は人間の心と心理がはたらく原理に対する心理理論であるため、心理が身体に及ぼす影響を分析するための医学的と科学的の検証はされていない。したがってこころ理論は医学的な研究を並行しなければならない。

 

第一の仮説 心の構成

 

こころ理論の第一の仮説は心の構成である。人間に心があるというのは誰もが知っている。しかし心はどのように構成されているのかは無知の領域であり抽象的に考えられている。それでこころ理論では心が意識と無意識で構成されており、無意識は習慣と心エネルギーで構成されているという仮説を設定した。

 

心エネルギーによって習慣がはたらき、習慣は一定のパターンとしてはたらく。また習慣がはたらくとき記憶情報、または外部情報と感情をつなげ意識において自覚できるようにする。したがって心は意識と無意識で心理を統制する役割をする。

 

第二の仮説 心と心理が異なる

 

こころ理論の第二の仮説は心と心理が異なるということである。従来は心と心理を混用し、同一の概念として捉えていた。心理がはたらくのを心と同一に分析していたため心理については多くの面で研究がなされたが、心は研究されていなかった。このため新しい心理理論が開発され続けている。そこでこころ理論では心と心理が異なっているという仮説を設定した。

 

心は意識と無意識で構成され、心理を処理し、統制する。心理は認識心理、記憶心理、表現心理などで構成されている。認識心理は外部情報を心で認識するときはたらく心理である。記憶心理は外部情報を記憶したり、記憶されている情報を心で自覚するときはたらく心理である。表現心理は心を外部に表現したり、内部に表現するときはたらく心理である。したがって心理障害は認識障害、記憶障害、表現障害、このように三つのみに分類できる。

 

 

第三の仮説 男性と女性は心が異なる

 

こころ理論の第三の仮説は男性と女性の心のはたらきが異なるということである。心を構成する意識と無意識がはたらくとき男性の無意識と女性の無意識のはたらきが異なるため心理のはたらきが異なるという仮説を設定した。

 

男性の無意識は気分の心エネルギーによってストレスを除去する習慣がはたらき、女性の無意識は感情の心エネルギーによって傷を治療する習慣がはたらく。これにより男性と女性は認識心理、記憶心理、表現心理のはたらきが異なる。 

 

 

第四の仮説 男性と女性は感情記憶が異なる

 

こころ理論の第四の仮説は男性と女性の感情記憶が異なるという仮説だ。第三の仮説によって男性と女性の心のはたらきが異なるため心理のはたらきも異なる。記憶心理によって男性と女性は感情記憶が異なるという仮説を設定した。

男性はネガティブ気分は除去し、ポジティブ気分は意識で消耗するため感情を記憶しない。女性はポジティブ感情は意識で消耗し、ネガティブ感情は治療するために記憶する。

 

第五の仮説 男性と女性は幸福が異なる

 

こころ理論の第五の仮説は男性と女性の幸福追求が異なるということである。男性は気分がはたらくため現在の感情を感じられず、未来の幸福感情を追求するが、女性は感情がはたらくため現在の感情を感じることができ、現在の幸福感情を追求するという仮説を設定した。

 

男性はポジティブ気分を持続的に生成し、未来にもポジティブ気分が持続され幸福感情になれるようにし、未来の幸福を追求する。女性はネガティブ感情を無感情に転換させ、幸福の感情をつくるため、現在の幸福を追求する。

 

 

第六の仮説 男性と女性は自己実現が異なる

 

こころ理論の第六の仮説は男性と女性は人間関係における自己実現が異なるということである。男性は情熱をもって未来の幸福を追求しながら人間関係においては特定対象の価値を追求するが、女性は愛の感情で現在の幸福を追求しながら人間関係においては意味を追求するという仮説である。

 

男性は人間ではない対象の価値を追求し、経済的価値、関係的価値、社会的価値などを追求しながら人生の幸福を目標として生きている。女性は人間である対象と共に幸福を感じながら生きる意味をもつ。これにより男性の自己実現は価値を追求することであり、女性の自己実現は意味を追求することである。

 

第七の仮説 ストレスと傷は異なる

 

こころ理論の第七の仮説はストレスと傷が異なるということである。ストレスは現在の感覚器官の刺激で生成されたネガティブ気分であり、傷はストレスを心理において処理するとき生成され、ネガティブ感情として記憶されるという仮説である。

 

男性は気分の心エネルギーがはたらくためストレスを除去しようとするが、女性は感情の心エネルギーがはたらくためストレスによる傷を治療しようとする。結局ストレスは男性の心と心理においてはたらくネガティブ気分で、傷は女性の心と心理においてはたらくネガティブ感情である。

 

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