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<こころ理論>トラウマ(Trauma)

作成者 日本心理教育院(ip:)

作成日 2021-05-26

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内容

 

<本文は出版図書「こころ理論」の一部を抜粋したものです>

 

トラウマ(Trauma)はネガティブ感情が発生する「精神的外傷」、または傷という。心理は感情の流れを調整し制御するはたらきを指し、心理と感情は直接的な関係がある。したがって人間の心理障害はほとんどネガティブ感情によって発生するため、トラウマについての研究は必須だといえる。このネガティブ感情により発生するトラウマが人間心理においてはたらくとき、心の幸福を追求する心理の基準に合わないため幸福を追求する心理の基準に合わせようと心の防御機制がはたらく。したがってネガティブ感情は人間の心理すべてにはたらきかけ、心理障害が発生する原因となる。

 

既存の心理理論ではトラウマについて精神医学的、カウンセリング心理学的に解釈し「精神的外傷」に焦点をおいてトラウマの治療に対する治療法を研究してきた。しかしトラウマに対する治療法に関する多くの理論は男性と女性に同様に適用することで、カウンセリングと治療に限界が存在し、トラウマがはたらく原理について理解することができなかった。また男性と女性のトラウマの原因は同じでも、男性と女性の防御機制のはたらきが異なるため、異なるカウンセリング技法と治療法を適用しなければならないということには誰も気付いていない。

 

こころ理論を開発した際、男と女の心の防御機制の違いによって、トラウマが男性と女性の感情記憶において異なるはたらきをすることを発見した。そこで男性のトラウマを「進行トラウマ」であるストレスのネガティブ気分として適用し、女性のトラウマを「結果トラウマ」である傷のネガティブ感情として適用した。このようにトラウマは「進行トラウマ」と「結果トラウマ」に分離し、これを基礎にしてカウンセリングに適用したとき、心理障害の治療に非常に優れた結果を得ることができた。

 

トラウマは「進行トラウマ」と「結果トラウマ」に区分される。トラウマが発生し、はたらく過程において現在にも続いているトラウマが「進行トラウマ」であり、進行が止まって結果として発生したトラウマが「結果トラウマ」である。このとき「進行トラウマ」はストレスとしてはたらき、「結果トラウマ」は傷としてはたらく。

 

人間は老若男女を問わず、誰にでもトラウマが発生する。トラウマは人間の心である幸福を追求する心理の基準に違反するとき発生する。ネガティブ気分によってストレスがはたらき、ストレスが傷に転換され、傷が持続するとトラウマになる。自分の心の幸福追求に合わないとストレスまたは傷が発生する。したがって男性は未来幸福に合致しないとストレスが発生し、女性は現在幸福に合致しないと傷が発生する。

 

このようなトラウマは三つの場合に発生する。第一に外部の衝撃によるトラウマがある。外部の衝撃は自分とはまったく関係なく、外部で発生したトラウマである。自分とは関係なく、特定の事件や現象によって発生するネガティブ感情を「外部の衝撃によるトラウマ」という。たとえば二〇一一年の東日本大震災の原発事故などのように自分とはまったく関係のない事件によってトラウマが発生することである。これをはじめ、さまざまな事故、あるいは事件によって自分とは関係なくストレスまたは傷が発生することがある。

 

第二にネガティブ感情を記憶している自分の心理が原因で発生するトラウマがある。外部とはまったく関係なく自分のネガティブ感情の記憶によって発生するトラウマである。これは唯一自分にのみ発生する。この場合は記憶されているネガティブ感情である傷により発生する。ネガティブ感情を記憶するのは女性なので女性のみに該当する。男性はネガティブ気分を記憶できないため男性には該当しない。

 

第三に心理作用によるトラウマがある。自分と相手が互いに認識心理と表現心理がはたらくと、人間関係が形成され、感情が生成されるが、このときネガティブ感情が発生するとトラウマが発生する。自分と相手が同時に心理作用するとき発生する。これは相手が言葉や行動、表情をとおして表現をしたとき、自分の意識をとおして認識されネガティブ感情が生じるトラウマである。

 

この三つの場合を見ると、自分とはまったく関係のない外部の衝撃によるトラウマ、自分の感情記憶により生じるトラウマ、自分と相手が互いに心理作用をすることで生じるトラウマに区分することができる。

 

結局トラウマは自分の心理に発生するもので、ストレスまたは傷を意味する。多くの場合トラウマは自分の感情によって発生するため、原因を見つけ理解しようとする。なぜならその原因さえなくなれば自分のトラウマが治ると考えるからである。しかしこれは錯覚である。すでに自分の心理に発生したものであるため原因を遮断しても残り続ける。それで傷によって問題が発生すると、原因は傷が発生した過去のせいだと考える。その結果トラウマが持続されるのである。発生した原因とは関係なく、環境や状況によって持続的にはたらくのがトラウマである。

 

<本文は著作権保護を受けています。無断で使用することを禁止します>

 


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